1950~60年代前後以降に製造されたヨハネスアンダーセンのデザインによるビンテージのアームチェア。
贅沢に使用したチーク無垢材は、経年変化にて色艶が増しており、流れるような有機的なフォルムと木目が美しいチェアです。
アームの長さはチェアの前方よりやや内側に抑えられておりますので、ダイニングテーブルなどに合わせる場合は、通常のアームチェアに比べて、チェアが僅かに収納しやすくなっております。
背面の高さが33㎝と大きく、背中をきちんと支えながら、座面の傾斜も少ない為、しっかりとお座り頂けるのも特徴です。
各接合部分は強度の高いフィンガージョイントで組むなど、全体的に丁寧に作り込まれております。
木部は全面研磨・オイル仕上げにて再仕上げ済みです。
目立つ傷もなく、とても綺麗に仕上がっております。
チェアの構造上、背もたれの張替時に木栓を取り除いて分解を行ってからでないと張替が出来ない為、新規作製したチークの木栓で交換済みです。
張地はクヴァドラ社のハリンダル65(1mあたり¥24,530(¥22,300)の生地)にて張替済み。
ハリンダル65は、1965年にNanna Ditzel(ナナ・ディッツェル)のデザインにより誕生した生地。
耐摩耗性が10万回以上と非常に丈夫な生地を使用しており、new wool70%とレーヨン30%を組み合わせる事により、丈夫さや質感の良さを保ちながらウールとアクリルなどの組みあわせに比べて毛玉も発生しにくいように工夫された生地です。
また、生地の縦横の織の組み合わせがシンプルな物から海外ならではの組み合わせが有ったりと綺麗な発色や配色が多いのも特徴です。
座面は板張りの上にウレタンの組み合わせで、ウレタン交換の際に、単価の高い高密度ウレタンを使用しながら硬さの異なるウレタンを積層させて、しっかりとした座り心地に改良を行っております。
こちらの前下の座枠のパーツは、メンテナンスの際に、オリジナルと同じ形状でチーク無垢材を用いて新規に作製を致しました。
上記の前下の座枠の交換の理由にも関連が御座いますが、元々の座面を支えるオリジナルの仕様は、手前の座枠で座面前方を支えつつ、両サイドの座枠から金属の丸棒が2本出ていて座面を支えておりましたが、長年の使用で、金属と木の硬さが異なることから木が金属に負けてしまい、金属の丸棒を差し込んでいる木の穴が徐々に広がっていってしまい、金属の丸棒が木から脱落することにより、座面を支えられなくなり、そのことによって手前の前下の座枠にも大きな負荷が掛かり壊れてしまっておりました。
私たちはお客様がお持ちの家具の修理も行っておりますが、同様の仕様の物は、お持ち込みで修理を多く頂きますので、オリジナルと同じような仕様で直すことも出来ますが、そのまま直すと強度に不安が出ますので、普段は見えない部分の為、より強度をだして安心してお使い頂けるように、両サイドの座枠に座面を支える為の桟を取り付けて座面を支える仕様に変更を行いました。
また、破損が有った前下の座枠は、同じチーク材で、オリジナルと同じ形状で作り直してメンテナンスを行いましたので、見た目も損ねない様にしつつ、強度が増しております。
テーブルとの合わせのイメージです。(合わせているテーブルはこちらです)