数多くの名作を生みだした北欧デザインの巨匠、ハンス・ウェグナーのデザインによるゲタマ社製ビンテージのGE2903ソファ（オーク材）。
今回のGE2903は、オーク材特有の美しい虎斑(トラフ)が出ている材料を沢山使用しており（以下の写真で白い模様のような部分は全てトラフです）、通常と同じように丁寧に研磨後にオイル仕上げを致しましたが、元々のフレーム自体が濃い為、落ち着いた印象。
落ち着いたトーンのお部屋にも合わせて頂けます。
座り心地は海外のデザイナーのソファの中でも座面の高さが低めで、プリングが内包され弾力性と快適な硬さが有り、ちょうど良いアームの高さやリラックスできる背もたれの角度で快適な座り心地。
木部のメンテナンスと同様に、座り心地にも拘って時間を掛けてメンテナンスを行っており、背もたれ内部のウレタンは全交換を行い、座面は一度バネだけの状態に戻して（古いウレタンなどを全部取り除き）各所のチェックを行い、クッション内部のバネのカバーは、擦り切れに強い厚みのある素材でのまき直しを行い、新たに単価の高い高密度なウレタンと硬さの異なるウレタンを組み合わせて積層させつつ内部に詰め物も行い硬めに仕上げております。
座った際のバネの当たりを抑えながら、極端にお尻が落ちたり、深く沈みこまない様にしながら調整を行っておりますので、オリジナルの状態や、オリジナルの仕様のままでウレタンを交換した柔らかい座り心地や、ウレタンだけの硬い座り心地とは異なる、硬さがありながらもバネの良さも活かした快適な座り心地に仕上がっております。
また、ウレタン交換時に、座り心地を良くしようとしてウレタンを分厚くし過ぎると、座面の高さが高くなり過ぎてしまい、着座時に床にきちんと足がつかなくなってしまったり、座面が厚くなることにより、座面の傾斜が極端にきつくならないように注意しながらウレタン交換を行っており、座面の厚みを抑えつつ座り心地を良くしておりますので、見た目も美しく仕上がっております。
木部は、入荷後に長年のご使用で付いていた細かい傷を丁寧に取り除いたり、凹みを取り除く為に大きく削ると、厚みが変わってしまうので、凹みは出来る限り浮かせて戻した上で削り直しておりますので、オリジナルの意匠のまま、ほぼ全ての小傷を落しております。
仕上げは、オイルにて仕上げておりますので、木部が自然でサラサラした触り心地。補修アトや大きな傷もなく素晴らしいコンディションです。
年々、価値が高まっており、アジアやアメリカなど世界中から買い付けの需要が高くなっておりますので、コンディションの良い物を買い付けるのが困難になっております。
無垢材のオーク材で組まれた木部が美しく、背面も美しいデザインの為、お部屋の間仕切りのような形で、背中を見せて設置して頂けます。
クッションを置いてしまうと普段は見えない木枠内部や裏側も、表面に露出する部分と同じように全て丁寧に綺麗に仕上げておりますので、気持ち良くお部屋に合わせて頂けます。
グリーンのカバーは、ゲタマオリジナルのフラットバネカバー。
多少の汚れや破れは御座いますが、まだこのままでもお使い頂ける状態です。
ご希望の場合は、当店で新品のフラットバネカバーを作製することも可能ですので、ご相談ください。
金具が留めてあったネジ穴は、毎回入荷するアイテム全てがそうですが、長年のご使用でネジ穴緩くなっている部分が御座いますので、ラットバネや金具、50か所近くあるネジは一度全て取り外しまして、再度、ネジを固定する際には、一度、埋め直してから金具を固定することにより、しっかりと固定されます。
その上で、フラットバネが張りがあってきちんと真っ直ぐに引っ張られた状態で固定しておりますので、強度と共にバネに反発力が生まれ、着座時に座面のクッションが下に沈むのを、よりきちんと押し返してくれるようになりますので、より座り心地が良くなります。
また、フラットバネやネジもそうですが、錆があった金具は出来る限りの錆取りを行った上で、上から全て錆止めを行っております。
また、長年のご使用で錆が出てくる可能性は御座いますが、それは新品の金具の場合も同様でもあり、また、メンテナンス時に金具に何も手を加えずにそのまま販売を行った物よりも、出来る限り錆の進行を遅くする意味でも行っておりますので、時間が掛かりますが、一つ一つ取り除いて綺麗にしております。
上記のネジ穴のチェックと錆取り・錆止めを合わせますと、この作業だけでも何時間も時間が掛かりますが、写真だけでは分からない細かい部分まで、出来る限り丁寧にメンテナンスを行っております。
全体的に非常に美しく仕上がっておりますが、強いて挙げるなら、実際に目の前で見ても場所を探すのが大変な程で、ほとんど判別不能なレベルですが・・・何とかどうしても無くしたく何度もトライしましたが、どうしても浮かしきれずに残ってしまったごく浅いアトが御座います。
アーム全体の写真
