※こちらの企画展は終了いたしました。
沢山のご来店を頂きまして、誠にありがとうございました。
3月10日(土)〜4月22日(日)の期間限定で、竹嶋浩二さんによる新作モビール展を開催します。
オブジェ・イラスト・立体・木製玩具など、様々な作品を手がけるアーティストの竹嶋浩二さんが約5年ぶりに新作のモビールを製作。
全てが一点物の個性あふれる作品を、当店でご覧いただけます。
学生時代にアレキサンダーカルダーとの出会いにより立体作品に興味を持ち、卒業制作にてモーターを利用した立体作品を製作。その後イラストレーターとして、平面作品・立体作品・写真など、様々な表現方法を駆使し、イラストとしての立体作品を媒体への発表を開始。最近では、パイプオルガン製作工房での仕事も行っており、そこで得た知識や技を活かした作品を製作している。今回は約5年ぶりのモビール製作となり、かつては写真プリント・竹ひご・空港ベニヤを使用したものや、太陽電池を使った回転式モビールを製作していたが、近作ではもう少し木工の比重が大きい作品を製作している。
モビールは空間を動くコラージュ、または動く絵です。
モビールを飾る場所には条件があり、ふさわしい背後の壁面や天井の高さ、気流、光など様々な要件にかなった時、その作品は生きてきます。
空間を認識した時、また空気を意識した時、モビールの存在感が面白いものとなり、意識していなかった場所が空間として生きると感じるのです。
モビールは1つの「見落としていた」メディアと考えます。
その中で、バウハウス・デスティール・未来派・表現派など、ほぼ100年前から引用されていたイメージと木工の持つ硬質な部分も味として表現出来たら良いと思っています。
ー竹嶋浩二ー
モビール作品ラインナップ
材料は全て自作で、着色も岩絵の具と亜麻仁油を混ぜて作っています。全て原色による着色。無垢木なので木目と強度を考えて制作されています。
材料は自由で、アンティークのビーズや布素材など複合的材料仕様によりコラージュ感を表現。
大きな動きや小さな動き、回った時の接触回避など、動きも計算されて作られています。
夜明けの晩にすべるモビール
この作品は、名前からも連想できるように、「かごめかごめ」の歌をモチーフに作られています。
一番上の大きなアーム部分に角度をつけることで、その上を鶴と亀が滑り落ちていく姿をイメージして作られています。
赤を基調とした色使いの中に浮かぶ鮮やかな青色が印象的な作品です。
バウハウスのモビール1
バウハウスにて9年間教員を務めた主要メンバーの1人でもあるオスカー・シュレンマー。
彼の代表作でもあるトリアディックバレー・メカニカルバレーを連想して作られた作品です。
バウハウスのモビール2
バウハウスにて9年間教員を務めた主要メンバーの1人でもあるオスカー・シュレンマー。
彼の代表作でもあるトリアディックバレー・メカニカルバレーを連想して作られた作品です。
未来派のモビール
1900年代に入った頃から、モーターや飛行機などの機械開発が進み、そこから見える明るい未来をイメージして作られた作品です。
モビールにも見られる、空を飛ぶような立体的な動きが表現されています。
色の違う数枚のチップを連結させて1枚の板を作ることによる色のグラデーションや明色から暗色への変化にも、未来へのイメージが込められています。
古いインテルとパリのビーズがあるモビール
この作品の中で使われている「インテル」とは、活版の組版作業の中で、余白の部分を作るために組み込まれる込め物。
その中でも行間の余白を作るために用いられるものが「インテル」と呼ばれます。
作品の中のひし形の部分がそのインテルをモチーフに作られていて、カラーは昔のインクの色をイメージして着けられています。
ビーズは名前の通りフランスのパリのビーズが用いられています。
惑星と衛星のモビール
こちらは太陽系をモチーフに作られた作品です。
その中でも特に輝きの強い金星にスポットを当て、明けの明星・宵の明星により姿を変える金星の姿が表現されています。
稲垣足穂の天体をモチーフにした作品からの影響も受けて作られています。
一番鳥のモビール
木枠の中のステージに使用されている鳥は、香港製のおもちゃ。
テーマは”一番鳥”なので、上部の三日月は日の出のころに見られる下弦の月となっています。
木星と水平尾翼のモビール
立体的な水平尾翼が特徴的な作品。4本の水平尾翼が美しく並んでいます。
直接的な接触はない、宇宙にある木星と空に浮かぶ水平尾翼。しかし文字にすると見える、「木」星と「水」平尾翼、という自然と言葉の対比も表現されています。
窓辺の女が微笑むモビール
この作品は、工房で見つけた木枠から窓を連想し、そのままの形で生かされています。
この作品の中にも水平尾翼が見られます。また、他の作品にも多く使用されている、バウハウス時代の作品によく用いられた黒+赤という配色も印象的です。
ギターとパパイアのある室内のモビール
ナチス・ドイツの時代では、ギターをモチーフにした絵が多く描かれました。
そのような時代の中で、「ギターとパパイアのある室内」、そんな絵が描かれたのではないかという竹嶋さんのイメージや世界感により作られた作品です。
主役でもあるギターは、その形を崩さないよう、アームとの連結は行わずに単体で吊り下げられています。
キネマの月のモビール
この作品は、稲垣足穂の「キネマの月巷に昇る春なれば」がモチーフとなっています。
キネマとは昔の言葉で映画(シネマ)。キネマの月=映画の月=(舞台のセット用などの)作り物の月、という意味があります。
美しい満月が登るその瞬間に感じる、幻想的で作り物のような一瞬の不思議が表現されています。
ひし形部は、戦前の昔の雰囲気をイメージした色味となっています。
みどりがめのモビール
この作品は、他の作品とは少し作りが異なり、アームと緑色の風を受ける部分が同じ厚みとなっています。
アームの先から二手に伸びる薄い板により、円のパーツを挟み込まれた構造となっています。
カメの絵が描かれたつり糸のパッケージが使用されています。
Buck Rogersのモビール
この作品は、宇宙もののアメコミ、「Buck Rogers」がモチーフとなっています。
初めからBuck Rogersを元に製作されたのではなく、製作している中で作中多くの乗り物が登場するBuck Rogersが連想されて今の形になっています。
Malevichのモビール
この作品は、ロシアの芸術家「カジミール・セヴェリーノヴィチ・マレーヴィチ」がモチーフとなっています。
画家として知られ、戦前に抽象絵画を描いた最初の人物でもあります。
モビールには当時の形や色のブームがイメージされており、有機的な着色となっています。
キッチンのモビール
こちらの作品は、抽象形態のものに現物を貼り付けたらどうなるのか・・・という試作品でもあります。
そこでブリキのキッチンのおもちゃが使用された作品となっています。
構成主義のモビール
Tatlinのモビール
ポケットの中の月のモビール
キネマの月につづき、足穂作品から、1923年発表の一千一秒物語より題が引用された作品です。
彗星都市のモビール
「彗星都市」は稲垣足穂作品の挿絵を描いた「まりの・るうにい」の絵の題で、ある彗星が地球に接近した時だけに現れる不思議な街。
そんな彗星都市がモチーフとなっている作品です。